ゆるしてください
もっぷ

結婚して
日日も時間も分も秒も
わたしだけのものでなくなり
神さまを
(わたしだけの神さまを)
忘れがちになり
(声に出さずに)
御祈りを、‥わかっててスルーし
(内緒!)
気がつけばあおいでいる東の空と東の夜空
この町には確かに木々も花ばなも多くて
彼らはまったく満ち足りて在るし
(少なくともわたしにはそう見える)
わたしだって
(わたしだって)

わたしだってとても満ち足りておりますよ!

水に塩素臭さを願ってなんていませんよ!

夜空にオリオン座だけを訪ねてなんて
まさかそんな!

疲れてる
自分でわかる
関係ないけど目を患って
関係ないけど猫もパトラッシュもいけません
それが約束のビルに住んでて
いくつもの「いつか‥」は
引っ越しの荷を解いたらもう居なかった
代わりに「御願い」たちが
段ボール箱のなかで肩身が狭そうに俯いてて
みんな「ゆるしてください」しか言えない
それは
「許してください」なの?
「赦してください」なの?
なるべく優しく聞こえるように
すると「御願い」の一つ残らずが泣き出して
一つ残らずがわたしめがけて来てああ
この私のなかに
この私のなかにそれをどうせつめいしたら
検索したら頭医者へと言う
行ったら先生は心でしょうと言う
とりあえずな雰囲気で
処方薬をいただき全部飲み終え治らない
先生は心でしょうと言っていたと思い出して
心医者を探してみる
心という言葉は心臓外科にしか見出せず
わたしの紅い靴は私を無視して
歌まで唄いながらああ
さて
そして
そこの先生は
どこかしら嬉しそうに

原因のそこをとっちゃいますか



自由詩 ゆるしてください Copyright もっぷ 2018-10-02 22:57:54
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