清々しい朝
花形新次

飛び込まれた
電車に乗っていた
急ブレーキで
隣の女子高生にぶつかった
隣の女子高生は
そのまた隣のハゲにぶつかっていた
駅員がホームを
一心不乱に駆けて行くのが見えた
「この電車はお客様と接触しました」
社内アナウンスが流れた
「今からお客様の救助を行います
危険ですので電車からは降りないで下さい」
ドアを開けなきゃ降りられねえだろうよ・・・
「お客様が電車の下に挟まれております。
救助のために、電車を後ろに動かします」
えっ、救助するなら電車を持ち上げるだろ?
それじゃ、逆に轢いちゃうっつうか
止め差しちゃうっつうか・・・・・

「ういーん」

おい、おい、やめ、やめ、や・・・

「ガッ、タン!」


(乗客沈黙)


「お客様救助に成功しました」


(乗客沈黙)


・・・・あ~あ、やっちゃった


自由詩 清々しい朝 Copyright 花形新次 2018-09-30 07:30:10
notebook Home 戻る  過去 未来