砂漠の上で寝転んで
Giovanni

あなたは眠ってしまった
湖に浮かぶ 浮島の
深い眠りは ここちよく
夜闇に薄く黄色く光る
あなたの横顔を包み込んだ

砂漠の上で寝転んで
わたしたちが
白くなってしまった後
小さくなってしまった後
軽くなってしまった後
のことを考えた

いつか いつしか
誰もがわたしたちを
忘れた頃に
深い穴の底から
青白い顔の
目付き鋭い男にでも
見つけ出され
1回数ソルの見せ物に
されるのかしら
そうしたら そのときには
離ればなれに
ならないかしら

行ってしまった時が
戻らないのは
それに誰もが
責任をもてないのは
心では分からないまでも
世界の定めだから
それならば
今はただ
あなたの泉のような頬に
ずっと触れていたい

あなたは眠ってしまった
わたしも眠りたい

眠気のような
曖昧な未来を
透徹するかのように
砂漠の夜は
鋭く寒かった


自由詩 砂漠の上で寝転んで Copyright Giovanni 2018-09-29 15:17:23
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