手の上の月
仁与





眩暈は麗しく不確かな場所へと誘う


「 手の上の月」 
              

眩暈は激しく

私は床の上に横たわる


木目の模様は波状の図柄

ひんやりとした床の上に

密接した背中が


額にのせた温かい手が

やさしく囁いた


私は

その手を有り難く

思うのだろう


閉じた瞼の端から

一筋の涙が道を作るように

貴方の心に

ありがとうと思うのだろう


貴方の手の大きさに

私は思うのだろう


私を支えてくれたのは

貴方だけだったと


薄汚れたこの場所で

見上げた天井に

愛が見えた


こみ上げルル涙にも 

愛が溢れて

私の手の上に落ちる


あ、な、た、が

瞳の中に

静かに 落ちてくる

落ちてくル

……


2017、5、27 アメブロに
投稿 一部修正

(これ、誰が書いたの?と最近よく思う)


自由詩 手の上の月 Copyright 仁与 2018-09-29 00:38:28
notebook Home 戻る  過去 未来