just you,monika
竜門勇気


狂ってしまった
消火栓を
一人抱いて
美しい風
不可能犯罪の方法を
書いて捨てるノート

右手で爪を握って
左手で鳥を真似する
くびれた時間の
一番細い部分
美しい風
しまい忘れたものを
捨てるなんて悲劇の中で
前髪をかき分ける
波紋が広がる

領域のすべて
なんの?誰の
存在の終わり
なんのだよ、誰のだ
どうなってもいいからどうだっていい
消火栓を演奏するから
いまからいままで聞いたことねーぐらいでかい音を出す
気味の悪い静寂が30秒だけ続く
それは約束する
その後、君を殺す気で
何もかもを砂に戻すつもりで
狂った消火栓を僕が抱き直す
それが目に入ったら覚悟してくれ

僕は死ぬかもしれないが
それまでに今まで忠告したことは
全部起こしてから死ぬ
そこからは約束しない
約束できるようなことは一つも許さない
いまからいままで起きたこともねーぐらいでかい音を出す
仄暗い物陰を一つ残らず消し飛ばす
世界が消えたような静寂が30秒だけ続く
それは約束だったよな
その後、君すらも失うつもりで
何もかもわかるつもりで
そいつを僕が抱き直す
それが目に入ったら手を伸ばしてくれ
僕の隣で世界が終わる轟音を聞かせてやる


自由詩 just you,monika Copyright 竜門勇気 2018-09-28 22:51:53
notebook Home 戻る  過去 未来