牛鬼
春日線香

山間の小道はいつしか畳敷となり、やがて布団の上を行くことになった。枕やシーツに足を取られながら進むのはもはや森ではなく暗い屋内に取って変わり、果てのない広がりを手探り足探りで行くのは大層恐ろしく心細かった。だが早くしなければ何もかも手遅れになってしまう。家族がこの先で今にも牛鬼に食われようとしているのだ。もう食われて骨の山になっているかもしれないのだ!


自由詩 牛鬼 Copyright 春日線香 2018-09-27 13:38:31縦
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