い、は、 犬、の、い。
犬絵



みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
かこが
いまでは
黄金郷

みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
みすてられた
犬に
なれなかった
今日

あの人に
であって
バスで
目で
あいさつした
こんな
わたしを
みられて
しまった
なぜ
あいさつを
したのか
なぜ
知らなくなった
人になんか
なぜ
あいさつなんか
したのか

もっと
ごうぜんと
もっと
みくだすように
もっと
むししきっても
よかった
あの人

あって
なぜ
あんな
目で
みてしまったのか
きっと
きづいて
笑って
いるに
ちがいない

みすてられた
犬に
なりたかった
バスで
みすてられた
犬に
なりたくなくなって
みすてられた
犬に
なりたかった
かこを
わすれて
しまえ
なくて
とりのぞいて
しまえ
なくて
みすてられた
犬に
なりたかった
今日
みすてられた
犬に
なれなかった
今日

もう
じぶんの
こころが
つかまえ
られない
みすてられた
犬に
なれなかった
のか
みすてられた
犬と
おもわれたかった
のか
みすてられた
犬に
なりたくなかった
のか
じぶんで
じぶんが
どんな
犬なのか
わからない

みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
かこが
いまでは
黄金郷

みすてられた
犬に
なりたかった
けれど
みすてられた
犬に
なれなかった
今日




自由詩 い、は、 犬、の、い。 Copyright 犬絵 2018-09-24 10:46:03
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