葉leaf



儚い朝が閉ざされるとき
女はいっとき獣の眼をあてがう
陽に刻まれた木立が炎めき
虚構の大地が海を覆う
女は起き上がり服を着る
色彩のために、空間のために
女は山から産まれた
山の巨大な産道から転げ落ちた
そして緑を食んで生長した
緑の原理に従い緑のように振る舞った
女の人生は太古の時間をなぞった
そして現代の若者と結婚した
時間軸同士の時代を超えた結婚だった
儚い夕べが閉ざされるとき
女は再び獣の体をまとう
女には正義がない
そして女は海を欲している


自由詩Copyright 葉leaf 2018-09-18 06:39:59
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