風塵
秋葉竹


ところどころ
凍りついた川を流れて
ぬけがらの天使の肉体がたどり着く
人が人を、疑い、怖がる、
荒野の街の夕間暮れ

ぬけがらを横目にみて、走り去り
僕は駆け足で急な坂道を登りきる

君との約束の、丘の上の公園に行き着く

待てど来ない君の、吹く風にも似た
かすれた声だけが頭の中に聴こえる


そうなのか?
さきほど流れていた
天使のぬけがらが
君の奪い尽くされたあとの
今の姿だったのか

丘の上の公園の、
樹々の枝を揺らす冷たい風、
吹き止まず、
ただ茫々たる眼下の荒野の街へ
吹きおろす、

風、吹きおろす、

風、吹き止まず、

砂塵のなか、もはや挑む心もなく、
けれど、なぜか、
僕はこの街を、すてない、
風塵のなか、目を伏せ、ひとりでも………




自由詩 風塵 Copyright 秋葉竹 2018-09-16 17:31:39
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