俺の心に
こたきひろし

詩が書けなくなったせいで
何も書きたくなくなった

詩の一編は
米一粒にもならない

空から落ちてくる無数の水滴
温かい空気は冷たい方に移動して
電気の溜まった天空に稲妻が走る

だからと言って
俺の心に溶岩が流れ込んだりはしないさ
冷めた眼で
醒めた感情で
呼吸している

詩が書けなくなったせいで
自分を嫌いになったりはしないさ
詩を書けなくなったせいで
人を嫌いになったりはしないさ

だって
俺の詩なんて
人の心に落ちても
一粒の泪も流れたりはしないんだから


自由詩 俺の心に Copyright こたきひろし 2018-09-16 01:00:47
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