初詣[2018]
中田満帆



 鰯なんかでよかったのか、きみは?
 まさかきみが信仰であり
 おれこそが鰯の頭だなんてね
 そんなことまるで首にもださないで、きみは?
 あたらしいスキレットを買ったんだって
 それがふたりのちぎりだなんて聞きたくもない
 頼むから帰って欲しい
 さっさと黙っていつもどおりしてもらいたい!

 どうやらアンテナかけ忘れていたらしいのよ
 ばかにノイズと周波数のずれがあるもんで
 調べてみたらこのありまさ
 えー、こちらはイワシのアタマ、
 ゴキネンなロックを聞きながら最后まで一緒にして
 だってわたしが怖がりなのを知ってるくせに
 かれは逃げてしまったの
 苦しんで死んでもらったの
 たぶんかれもおひとやかで
 文法にも音節にも
 あどけない、自堕落な男だったら
 よかったのに
 あー、わたしってついてないんだなぁ
 
 それからウエストレイク氏はパーマネントの鬘から
 盗聴器を取り出しながら吐息する
 ──うむ、愛は美しい
 ふたりの愛が決して交差せず、結び合わないときこそが
 ウエストレイクはそうつぶやき、
 われわれのオフィスから離れた、
 内通者たちのスタジオに入る
 ふたりには死んでもらうよ
 ウエストレイク?
 もちろんかれも例外ではない

 


自由詩 初詣[2018] Copyright 中田満帆 2018-09-15 12:38:55縦
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