徒花
いっと

知らない道を歩いていた
傍には紫色が浮かんで、流れて
花には見えず
人間にも見えない
夢の残滓、と認めて
あとで整理するために
香りだけ持ち帰る
知らない惑星が
いつの間に

背後に

夜に紛れた、ひとの家から
それぞれに仕舞われたとしつきが溢れ出す

恐らく、あれは咲いていた

きっと認識する必要はない
枯れていく、土に
還る


自由詩 徒花 Copyright いっと 2018-09-12 22:33:23縦
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