石村



誰が私に声をかけなかつたのかわからない。

葱の花がしらじらとした土の上でゆれてゐる。

その下に妹の骨がうめられてゐる。

捨ててしまはなくてはならない。


丘をこえて夜汽車が濃い海におりていく。

星行きの便は運休だつた。神の使ひをのせて。



(二〇一七年十月某日)




自由詩Copyright 石村 2018-09-12 17:07:18縦
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