クオリティータイム
あおいみつる

夜明けと共に目覚める
そして赤紫の空が生まれる
狂気の男が怯えている
偶然なのに
必然のごとく
それが誇大的妄想であっても
滑稽な一人芝居
嗚呼 悲しきクオリティータイム
私が描いてきた心
心象風景
それは氷の世界から桜吹雪
真夏のひまわり
現在は秋に憂い嘆き
または壊れかけの携帯電話
パスワードは忘却の彼方
寝るのが怖いんだ
眠れないかもしれなくて
ただ不安定な霊性
闇の奥で誰かが笑っている
君が笑っている
悪魔が笑っている
天使と悪魔の争う声
聞こえる 聞こえる
闇を引き裂いて
鼓膜を打ち破り
聞こえる戦闘の爪痕が
この詩も未完のまま置き去りにする
きりがないから
未完成の詩を置き去りにする
また冬が来るし
春も来るだろうし
生きていれば
また綴るから
いまは時間がないから
ここに置いてゆくよ


自由詩 クオリティータイム Copyright あおいみつる 2018-09-03 06:01:35
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