鞄の中身2
はるな




かたくくたびれた鞄に あめ玉とくつ下と濡れた猫をいれる。のぞきこんでくれるやさしい目をいれる。あかるい日差しとピザとソーダも。絵日記をかくための画用紙と緑とピンクのクーピーも。いれる、そして蓋をする。昼間はたらいて、ぐちゃぐちゃにつかれた夜に、大事な鞄の中身は、やさしい街だった。やさしくて、ふるくて、どこにもない。



自由詩 鞄の中身2 Copyright はるな 2018-08-27 03:29:36
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