白夜
中山 マキ














後回しにしてはいけない事ばかりが
満員電車の中の息苦しさを感じさせる

喧噪が頬をかすめて行き
銃弾のように耳を劈く(つんざく)

星占いが1位になっても
この視線の先には神様も仏様もいなくて

隙を見せてはいないはずなのに
簡単に躓いて手助けさえ恐れて俯く

生き辛い理由に後をつけられたまま
夜が明ける

声も答えもまだ
生まれてはくれないのに

昨日と同じような色、味、臭い、
それがどうであっても

今日を今日と呼び
それは始まる



自由詩 白夜 Copyright 中山 マキ 2018-08-20 17:20:15
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