浅き悟り
邦秋

積もる雪と向かい合えば 白が僕を反射して
シャボン玉の底のように 過去の色が渦巻くから

そう、夜を明けて、また光が
新たな命照らしていくように 閉じた瞳開けて

生きる記憶
雨に降られたワイシャツがまだ
肌から離れなくて

そのストーリー どうして序章に
どんな状況と どんな感情が 
そんな終章を 生み出したのか、知りたい


鏡の前に立って 映らぬ僕に気づいた
これは人の形をした 二人称と言い訳達

ああ、砂時計を逆さにしても
時間は戻らない 新しく下に墜ちていくだけだと

生まれ変われ
違いを羨み 安易な変化を
得られずに恨む日々よ

何を以って道を選んで
何を思って夢を抱いて
何を知ってそれ以外を避けてたのか

この、物語の主人公は
話の何処かで誰かと代わったように見えるでしょう

皮を剥いで
この核の形、見ようとしてたら
全てが剥がれた

雨が降れば 傘を差して
止めば閉じる 僕は雨と晴れが共に
来ても迷わず 傘を差すだろうか


自由詩 浅き悟り Copyright 邦秋 2018-08-20 12:19:53
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