未来
ミナト 螢

だるまさんが転んだと
遊びながら目を開けると
いつの間にか姿を消して

誰もいなくなった公園のススキが
半ズボンの膝を撫でていくのを
見とれているから置いて行かれた

皆どこに隠れてるのさ
鬼ごっこに変わった途端に
制服の中で迷子になった

どこのグループにも入れなくて
俯いていた時間の隙間で
隠れたのは僕の方だった

だるまさんが笑ったと
目を入れた時に溢れた希望を
ジュースに溶かして飲み干したなら

結んだネクタイ、未来の形が
曲がらないようにキュッと押さえた


自由詩 未来 Copyright ミナト 螢 2018-08-20 09:41:15
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