あの子
田中修子

おとうさん
おとうさん

ね、なぜ泣くの

わたし 涙も出ないで
ゴミを見るような
凍える目をしていた という

金色の夕日が差し込んで
葉っぱが
秋色に染め上げられていく
一瞬の絵 瞼のきりとる

だって他人だしね

わたしの
自分を愛する力は
カウンセラーさんから
自分を守り、築きあげていく力も
カウンセラーさんから

辞められてしまって どこにいるのかも もうわからないんだ

あなたがたの娘はとっくにいなくて
わたしはいるんだけど いったい だれかしら
あの子 どこにいったのかしら

きっと泣いてるわ

青い鳥は あの子 だったでしょう


自由詩 あの子 Copyright 田中修子 2018-08-17 17:00:05縦
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