祝福
ミナト 螢

スプーン一杯の愛の言葉で
ハチミツみたいな関係になって
転がってゆく琥珀色の海を
名前で呼び合う未来の命を

宿した体に重たい
銀河のレールが見えて
美しいと言う時間が好きだ

君を幸せにできるのが
僕じゃなくて残念だよと
口にした後で

似たような瞳を重ねる二人の
影の中に入ろうとして
恥ずかしくなるまともな神経で
三角形の頂点を壊すと

僕はただの細長い
キャンドルだ

この頭に火を付けて
幸せになれと
ヒットソングを連発するから

泣いて笑って煙に巻く記憶
君の横顔を黙って盗む


自由詩 祝福 Copyright ミナト 螢 2018-08-17 10:28:28
notebook Home 戻る  過去 未来