時の航路
服部 剛

船は往く
昨日の港を
遠い背後に置いて

船は往く
未開の日々を
目指して

揺れ動く海のおもて
魚のリズムで、跳ねながら

甲板に立つ旅人よ
潮風に
頬をさら

汝の胸に秘める高鳴りは
秒針の音と
重なってゆくだろう

船は往く
太陽の欠片かけらが落ちて乱反射する
青い海原のまにまに
白い航路を引いて
全ての煩いを裂いてゆく

古い姿を脱ぎながら
新たな姿へ孵化するように  






自由詩 時の航路 Copyright 服部 剛 2018-08-16 17:58:51縦
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