真夏の終わりに
秋葉竹

むせかえる
ような菊の花びらの
においもみえる気がする水浴び

きがつけば
あなたが誇る正しい孤独が
穴ぼこだらけのコップにみえだす

草いきれ
とおい雷鳴、夕焼けが
ビル染めるとき、真夏が終わった

我々は、
優しい気持ちで生きている
信じる弱さを、捨てて迷い香

匂う夜
散り初め、散り、散り終える、
ゆめのまたゆめ、黄色の落花よ

ぶくぶくと
濁った世界に生まれでる
孤独な透明、自傷の泡粒(あわつぶ)

待つ人も
忘れてしまった青空に
ただただ静かな笑顔の亡き人

美しい
声はその場で凍りつき
みちばた転がり光るよキラキラ

そのおんな、
寂しくうしろを振り返り
笑いながらもたたずむたそがれ

夏が消え
失恋さえも終わるだろう
ゆめ残さない、最高速度で




短歌 真夏の終わりに Copyright 秋葉竹 2018-08-16 15:57:19
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