昔の日記を開いて
番田 


取り出したノートを夕暮れに見つめている
手にして 最初の行から それを見つめては 
手で 時間自体を紐解いたような
光の方へと 時の言葉を読んでいる


何か そして 自分が経験した出来事を
だだっ広い空に 描くのだ 過去を
空に見上げながら 部屋で思うそこから
過去ではなく 僕は 未来へと


捨ててきたもののことを思いうかべる 僕は
僕の中から もみ消したのだ 悲しさを  
抱いていた希望や 苦くあきらめたことが 今は
憂鬱なものとしてポケットの中にはあったから


月の光に 僕は目を閉じている
明日も 同じ電車に乗っている僕
僕の真面目な営業マンだった頃を思い出す そして
一人ぼっちで見上げていた 青い天井を


自由詩 昔の日記を開いて Copyright 番田  2018-08-13 00:40:44縦
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