指なし手袋、
藤鈴呼


懐かしい 小人たちが
掌の上で 踊る

手袋のない指先が
ちょっと 凍えている 感覚が
じんわりと 伝わる夜

ほっと温まる飲み物は
冬ならではの 癒しとなる


雪かきの後には
シュンシュンと
湯気を上げるヤカンを
覗きこんで
メガネを白くするのが
お決まりの ワン・シーン

じっとりとした粒を
幾つも連れて
白いタオルも
しっとりと濡れて

ただ ただ 埋もれた
単純作業を
ゆっくりと 振り返る

キシキシ鳴る腕
きゅうっと鳴る胃袋

ちょっと待ってね

おいしいものを・・・

疲労と風邪気味の身体には
ビタミンが良いかなあ

春先にならないと
出回らないと 勘違いしていた
苺 ひとつまみ
唇に 乗せてみる

きゅうっとすぼめた頬が
おばあさんみたいだけれど
これが 勝利の勲章

何に 勝ったの・・・?
きっと
自分自身かな

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自由詩 指なし手袋、 Copyright 藤鈴呼 2018-08-11 21:22:10
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