甘酸っぱい
秋葉竹


悲しむ前の笑顔に
うっすらと、みえていた
生まれる前の
甘酸っぱいこころの痛み

(誰にも関わらないひとりよがりな善

そちらがわの旗印は
この世と常世に引く線の
黒い刺繍でできている

(どうせ気がつけば
(ひとりガムを噛み続けているだろう

孤独であることに
殉教できないはんぱものの目で
誰のくちびるをみてみても
すこしそそるみっともない純情と
拗ねて背中をみせるこっぱみじんの激情に
覆いくるまれたこころの顔は
ちいさく震えながら
あくなき自己主張の怪物となる

(ただ、霧氷が
(世界のどの軸もブラさない
(しめった結界をはりはじめている

ようやく真っ黒な理由を
手にすることができた瞬間から
私の朝顔は枯れはじめ
あらたな誕生を夢みる花になりさがる

なんども、なんども、
なんども、なんども、
猿のころから
彗星はかならず年を決めて通り過ぎゆき
終わりなき旅の終末へ向かう
人が知る宇宙は
偉大な星ふる夜空となってしまう

とおい海を渡って
人の群れが
静かにやって来る
星座をたよりに
いつもの迷いを捨て去って

殺したいとうらやむ言葉は残り
私の中の無垢な信号が
それもいいと応援するものだから
消すに消せない居心地の悪い自己欺瞞を
ボウッと光るマッチの火にかざし
すべてのこころが黒い消し炭になるまで
いっぺん残らず燃やし尽くしてしまいたい

甘酸っぱいこころの痛みだけ
その胸に残して







自由詩 甘酸っぱい Copyright 秋葉竹 2018-08-11 09:37:10
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