子守唄
五十嵐線

おやすみなさい
めをとじて
ちょうど歩いただけ疲れて
君は帰ってきた
さあ 私に横たわりなさい
海が私を飲み込むときまで

君を柔らかな流れに
寝かせよう
動きを持つすべてのものが
ここまでやってきて
  "青い水晶の小部屋の
   揺りかごをゆするもの"
波立ち揺れて
君を眠らせる

森に狩人の角笛が鳴り響くときには
君の周りでざわめくものが
その音をかき消すだろう
岸辺の青い花たちが
君の夢を覗き込むとき
それが君の重荷になる

彼女は立ち去るだろう
立ち去るだろう 君のもとから
ひ弱な娘の影は
君を目覚めさせることができないから
かわりに美しいハンカチを
投げ込んで
君の目を覆う

おやすみなさい
おやすみなさい
全てが目覚めるときまで
たっぷり休んで
喜びも苦しみも忘れてしまいなさい
満月がかかり
霧は晴れ
空はどんなに遠く広がることか


自由詩 子守唄 Copyright 五十嵐線 2018-08-11 08:58:59縦
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