真夜中のスーパーマーケット
青花みち

真夜中のスーパーマーケット。どこにも行けないわたしを守る光の零れたシェルター。その隅で半額のお刺身を手に取る。賞味期限の近い3割引の食パン、腐りかけの安いバナナ、廃棄寸前の玉ねぎサラダ。見放されたものたちを拾い集めて、カゴの中へぽいぽいと入れる。

明日からはうまく生きられますように。祈りながら、ハーゲンダッツのバニラを山積みの見切り品の上にそっと乗せた。あなたは今日限り存在するわたしの神さまです。明日のわたしの憂鬱のために消えてしまう今日だけの神さまです。


自由詩 真夜中のスーパーマーケット Copyright 青花みち 2018-08-10 12:07:15
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