旅の終わり
狩心

僕の生への欲求と
君の性への欲求が
一致して
でも本当は
すれ違っている

二人同時に
果てれたらいいねと
死の瞬間と
生命の誕生の瞬間を
重ね合わせる

考え方も
受け継いだ使命も
命を燃やす早さも
違うけれど
一心同体であると
考える

朝、
別々に目覚める
好きな食べ物も違う
出来事の受け止め方も違う
何が大切かも違う
けれど
同じものが幾つかある
道しるべとなる発見がある

安住の地
絶対に侵されない場所
既にゴールしていて
これ以上ないのに
生きなければならない

残りの時間を
余分なもの
つまり
心の豊かさの為に
費やすだろう

そこに
答えはなく
神もいない

ただひたすら続く
組み合わせの迷宮
苦痛から逃れる為に歩いて
より多くの苦痛を呼び込んでしまう矛盾
もちろん喜びもあるだろう
だがそれは
我々が人間で在る為の
戯れに過ぎない
そもそも
人間以上のところに
憧れがあるとしたら
人間的なことは全て
大きな意味を成さない

人間を超えて生きたい

多くの
愛すべき理由があって
出来ないけれど
本当は
歩くことを止め
何も感じず
何も考えず
石ころのように
ただ
そこに
在りたい


自由詩 旅の終わり Copyright 狩心 2018-08-07 11:11:13
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