覚悟は何もできていない
こたきひろし

覚悟は何もできていない。
いっぼ一歩忍び寄って来ているに違いないが
覚悟は何もできていないんだ。

如何に老いても生への執着は剥がれて落ちないし
性への執着もまだ並大抵ではないのに
更年期を迎えて閉経した妻は極度に肌の触れあいを拒む。

男はいつまでも生臭いのに
女の粘膜はそうじゃないらしい
勿論、それぞれに
個体差はあるだろうけれど。

だから
という訳でもないのかもしれないが周囲の若い女が気にかかる。
男の卑猥な欲望をシートで覆いながら

そちらあちらに咲いて揺れている花の
僅かな隙間に言葉の水をかけてみたくなるのだ。
結果は指をくわえて涎を垂らすだけに過

言うまでもなくそこに愛など欠片もない
だけどそれは私はだけかもしれたいわけさ。

ああ
なんだかんだ
じたばたジタバタしながら
ある日いっかんの終わりが訪れるのが
男の人生の終末だったら
万々歳さ
そう思いませんか
一般女性の皆さん

改めて覚悟なんていらないでしょうよ。
そう思いたいです。
臆病なジジイの一人として。


自由詩 覚悟は何もできていない Copyright こたきひろし 2018-07-31 04:21:50
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