五行歌 胃癌
八木ヒロマサ
⒈
看護師の
きびきびした所作を
横目に
点滴が一滴、一滴
うつろに落ちる
⒉
早朝の病院の
ロビーで一人
病院着のまま
缶コーヒーを飲む
静か過ぎる朝
⒊
生きたい
生きたい
死にたくない
死にたくない
癌と向き合う
4.
癌との出会いは
自己との出会いだった
生死の狭間で
見る夢は
短く、長い。
自由詩
五行歌 胃癌
Copyright
八木ヒロマサ
2018-07-30 17:17:25