ピルエット
ふじりゅう

ぐらあと、
ふらあと

ただ私はへこたれず

美人を、他人と争いました


鏡の私が左から

勢いよく右へ

鏡は後ろ側へ回り込んでいました

鏡から出てきた私は

そっと風に揺れる白鳥のようなドレスをついばみ

僅かに囁いたのです

大きな海を泳ぐ、白鳥のおはなし

あぁ
回り続けた私はなんでしょう

くるくると酔っていたのでしょうか

足指はがんばってくれたのに

ふ っ …

あなたを見回すと

手延べそうめんのように艶やかで

「、」

ドレスを倒しこみ

鏡。

の中には

手延べそうめんがいました。



そんなことを

まな板を叩きながら
思い出すのです

トン・トン・トン・トントン
ザーッ ザ






自由詩 ピルエット Copyright ふじりゅう 2018-07-27 23:14:49
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