熔けろ
腰国改修

透明な墓標のようなクリスタル
気がつくと
シャープペンシルの
芯の入ったケースを立てていた

マグノリア、ネロリ、ジャスミン
混ざりあった線香の入った紙箱
あの地震の後中で何本も折れていた

夕闇人混み天神祭
人の波、人間の洪水、汗の匂い

それぞれがそれぞれ関係なくって
関係なんてどうでもよくって
折れたシャープペンシルの芯に腹を立て
折れた線香を嫌々ながら捨て去って
ぶつかる人を次々と強く押す

優しくなれない
そんなことも夏暑くて
本当はどうでもいい


自由詩 熔けろ Copyright 腰国改修 2018-07-27 22:44:57
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