残業
ミナト 螢

気流は常に
僕等を見降ろして
空の間を漂う旅人
指先から
聴こえる鼓動を
撒き散らしながら
運命を捨てる
鳥たちの声よ

トランプのカードで
窓を作れば
みんながダイヤの前に
集まって
エレベーターのように
上がる感情を
ボタンを押さずに
どこまでも待った

誰かが飾った
花に見とれて
窓際の机を
叩かれた夜も
いつもと同じ
オフィスビルの明かり
最後に消すのは
僕だと思う


自由詩 残業 Copyright ミナト 螢 2018-07-27 07:39:21
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