東京オリンピック
はだいろ

あの夏 僕は
喧騒から 遠く離れて
小屋でも建てて そこで暮らそうと
一人になって 考えていた
死刑執行の 知らせを 届けに行った
公務員の 足音を かすかに聞きながら
なぜ 僕は
そのひとではなく
また そのほかのひとではなかったのか
だれもかれも 僕から離れていった
澄んだ 水の中で魚が輝き
競歩者の 黙考がどこにも届かない朝





自由詩 東京オリンピック Copyright はだいろ 2018-07-25 21:26:41
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