水喰み Ⅱ
木立 悟





夜風の冷たさ
貼り付いた白
夜の鳥 
夜の赤子


焼け焦げた径
はためく光
見えないものの
においに触れる手


騒がしい白と黒
尾を啄み合う鳥と鳥
地を迷う白と黒
羽ばたきの失い日の終わり


蜘蛛の庭で
花は水を踏む
光を光に
銀を銀に編む


壁と窓 頬と手
白く混濁した
言葉の源泉
こぼれ落ちるひとりの星


誰も光を急かさない
滴は滴 集まり刺して
無数のしがらみ
重なりを寄せる


早く生まれすぎた羽たちが
水に焦がれて死ぬ未明にも
水と水を追うものの公転は止まず
生きものの胸に水銀の影を落とす


















自由詩 水喰み Ⅱ Copyright 木立 悟 2018-07-24 10:08:19縦
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