原宿の夏
番田 

僕は原宿のいつもの喫茶店にいた
sと そこで 僕は待合わせた
真夏の蒸し風呂のような風景の中で
sは そこで 僕のことを待っていた 


アイスジェラートを頼んだ 僕は
sと二人で 外のテーブルに座っていた そして
そこに 外国人女性と座っているおじさんを見ていた 
sと二人で 僕は 座っていた


手製のような味のコーヒーを ごくごく飲んでは
この先誰かに出会うことはあるのだろうか
そんなことを考えさせられながら 僕は
時々 人影のまばらな炎天下の通りを見つめていた


何がかかっていたのだろう 音楽は
僕は覚えてはいないけれど よく そこで見た
苦い味の コーヒーのような
彼の怒った顔だけは よく 覚えていた



自由詩 原宿の夏 Copyright 番田  2018-07-23 00:20:28
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