空の穴
ミナト 螢

落ち葉を踏むと
くしゃみをするから
肺が潰れて
壊れてしまうね
折り重なった
体をかばい合い
伝染病のように
死んでいく

同じ顔をした
違う命に
秋という音が
渡される時
転がりながら
地雷を逃れて
傷跡の穴に
空が映った

カメラのレンズ
みたいに光って
誰かの靴を燃やす
ことが出来る
落ち葉が集める
光のせいで
人はその上を
歩かなくなった


自由詩 空の穴 Copyright ミナト 螢 2018-07-22 11:35:33
notebook Home 戻る  過去 未来