夏の光
番田 


友達のことを考えていた午後
何もすることもなく 過ぎた 夏の一日
しかし 僕は 服を買ったのだ
何か特別なものを手に入れたわけではないのだが


自分であるということはつまらないものだ
やがて秋が来て何もすることもなく今年も終わることだろう
しかし 今年は いつからはじまったのだろう
そして 去年の終わりを 思い出すことができないでいる


昨日は一人で海に潜っていた
時々 コーラを飲んでは
僕は 海の底を行く魚を 延々と見つめていた
将来の自分が見えない 海の底で


帰りのバスの中で 揺れていたつり革
人が生きているということは あまり意味のない事だ
そんなことを一人で 考えることもなく 口にしていると
昔の友達の横顔が夜空の向こうにはっきりと見えた気がした



自由詩 夏の光 Copyright 番田  2018-07-16 23:01:34
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