夏と神話
藤沢




読売新聞じゃ愛は買えないな。
あの人に会いに行きたい。
今からでも遅くはない。
だけど 自分がもっと薄くなってしまうから。
正しいことばっか言ったって世界は愛せないだろう。
歌舞伎町のコンビニで捕らえられた鹿。
逃げ込んだ狭い路地、ゴミ箱に突っ込んで。
夏は暑いから冬に感じる孤独が無くていい。
あの時から3年が経っても残念だって怒られるかな。
あなたが眠りについても私はメールも電話も待ったよ。
あなたが私の抜け殻を愛していた事は知ってけど。
強いから大丈夫だろうって最後まで私を過信してたね。
私だって何もわからずに何もわからないくせにって唾を吐いた。
マフラーをきつく首に絡めて私はいつものコンビニで偶然少女漫画立ち読みしてるふりしてたの。
コーヒくらいなら奢ってやるよに甘い方がいいなんて言えなくて我慢して少しずつ飲んでいた。
スカートの皺や前髪のズレが気になって不機嫌になるなんてださいよね。
夏のせいにできるうちは華。
大人のくせに半パンで騒いでんじゃねえよ。
もしかしてその恋終わってますか。
今年最初の花火も見逃した。
いつまでたってもあなたと見た花火を最後の花火にしたくて見逃した。


自由詩 夏と神話 Copyright 藤沢 2018-07-16 15:13:31
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