真珠の涙
ミナト 螢
潮風で錆びた蝶々の羽根が
砂浜に沿って転がっている
波打ち際で動かない体が
螺旋を描いて燃え尽きそうだ
溜め息で模様が変わる羽根は
貝殻のように折り曲げられて
夜になって隙間をのぞくと
プラネタリウムが引っ越してゆく
破れそうなテントの内側に
指先で触れると冷たい涙
死んだら貝殻になろうと言った
君の涙は真珠になるんだね
自由詩
真珠の涙
Copyright
ミナト 螢
2018-07-16 13:35:03