1部 眠るボアズ ヴィクトル・ユゴーにならう
水鳥 魚夫

1部 眠るボアズ ヴィクトル・ユゴーにならう

2部 詩編 エジプトとタロを忍ぶ歌  
        (クレメンタインによる)
3部 コシャカは大釈迦に出会う
 
4部 維摩君説法を広める

5部 地球の美宇宙の美

6部 古いアルバムは滲んでいるが 今は何とも言えぬ手触りがする

1部 眠るボアズ ヴィクトル・ユゴーにならう 1-1


娘よ あなたはだーれ だれでしょねー
なぜ 足元から私の衣服を取り去ったんですか

裸の下半身が寒くてかなわない 風邪をひきそうです
この薄い半透明の布はだれがかけてくれたのか

しかしこれでは猪ヌード 豚腹ヌードと世間に罵られよう
私には妻も子もいません

それ故に裸になろうと鼾をかこうと文句言う人がおりません
それなのによくもまあ私の足元で一夜を過ごしたものよ 娘よ


私はあなたの奴隷になる値打ちもありません
あなたのはしためです
見えざる手 聞かざる声に導かれるままこのようにしています

最大多数の最大幸福 
最大幸福は1人のためにそしてもう1人の私のために 
イングランド人ベンサムは少しだけいいこと言います

海神も山神もおりません 
神ゴクラクそのものが唯一です

エーテルなんて言う地上と神の虹の橋 それは不要です
大気も大地も優しさに包まれた人類特に私とあなたの夢の国です

私はあなたにふさわしい宇宙人です
あなたは私にふさわしい宇宙人です


ああ そんな不可解なことどうでもいい
娘さん あなたの後ろの朝日を御覧なさい

あなたの麗しい見目形が天地を彩る
不可思議この上ない世にネギを植える

あなたは東洋の禅宗 優れた教師
西田幾多郎善の研究 和辻哲郎古寺巡礼
亀井勝一郎青春論 の世界観です

特に善の研究のタイトルは 出版者の勝ちだった
売らんかな 石頭哲学では倒産する
あなたは生まれながらにして東洋を凌駕しています
今一度日本人はこれを考えるがよろしいとも言える


太陽は一段と美しく燃えています
昨日昨年いやなん百年なん千年まえも何億年かも
このように輝いていなかった

黒い岩石が何億年後かに
黄金になったのだろう
できぬありえぬ不可能不知
これらは水蒸気の様に消え失せた

地球史の歴史ここに始まる
歴史の花はここに誕生した

今日初めての出来事です
朝霧の中笛の音が聞こえてきます

甘美なオーボエがこの大地の幽玄を奏でます
朝露の中にあなたがいると
きっとプールから出てきたように
黒髪が帯のように水が滴り揺れることでしょう

遠き未来に再来したら水着に着替えてください
古代のバーベナの花の白と薄いピンクの赤をあしらい
引き締まった肉はどんな夕映えよりも
100万ドルのハワイの夜景よりも憧憬を誘うことでしょう

深い霧の中に水車小屋の娘がいるようです
シューベルト生き還りと言うでしょう

乳と蜜の流れる都とは平家の清盛が抱いた壮麗な都です
女たらしとだれが責められましょう
悲劇とは都を目指し駆け抜けた兵ども義仲の暴挙の跡です


娘さん 見てください
昨日まで荒れ地だった羊の放牧地が
見違えるような緑の草が生い茂っています

牛も羊 山羊もいます
家畜は人の笑顔で草を食べます

ラクダもロバも時々休暇が欲しいといいます
砂漠の気候はとても厳しく食料も得がたく水は板金に当たる
しかし平地は自然が豊かでのんびりしています

人畜の区別差別がないのです
創世記のアダモとイブも人知れず
ここで身を隠してひっそりと暮らしています

禁止された木の実を食べて罰せられたと伝承があります
ところがこの食べ物は生きる喜びを知る木の実でした

喜びを知ると貝殻はいらなくなります
あえて恋人の前で隠し事をする
二人がより熱く燃えるためです

体の歓びは人類の共有財産です
体のないものは嫉妬する

今の先ほどまで裸でいたことが分からなかった
無花果の葉が大活躍したね
こんな時代もあったのね 
みゆきさんがうたいそうです

善悪を知るとは今では当たり前のことです
病気にならない死なない年を取らない生きる悩みがありません

人類をアダモとイブの2人だけにしてはいけない
神ゴクラクは慌てて 木を伐採してしまいました

苦しみ悲


自由詩 1部 眠るボアズ ヴィクトル・ユゴーにならう Copyright 水鳥 魚夫 2018-07-14 20:22:22
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