船
ミナト 螢
手書きのノートに
斜線が出来て
立ち上がれない
言葉を知っている
重たい文鎮を
乗せたように
闇に沈む船が
何隻もあり
光を求めて
与えられずに
深海の淵を
彷徨う魂
明日は誰かの
手書きのノートに
旅立つ前の
言葉が残されて
海から戻った
白い魂に
色を付けるのが
僕等の仕事
自由詩
船
Copyright
ミナト 螢
2018-07-13 16:58:59