妄想の蓋を
こたきひろし

妄想の蓋を開けて現実を閉じた。果たしてどちらが裏でどちらが表か解らないくらいに妄想を繰り返す彼の脳内はどうにかなっているに違いない。
もしかしたら右脳と左脳が上と下に或いは前と後ろにそれともグチャグチャになっているかもしれない。

首都の巨大駅。改札口から続々と戦国時代の武者たちが入ってくる。
サムライの群れはそれぞれ一人一人がスーパーマーケットの買い物かごを持っていた。買い物かごの中にはおのおの自分の首から上のパーツを入っていた。
その有り様は何とも異様で滑稽だったので静止画に撮ってSNSに投稿したい気分になってはいけない。
そんなことしようものならたちまち体から魂を抜き取られてゾンビにされてしまうからな。

首都の巨大駅。ホームにはゾンビと化した現代人と落武者で溢れかえってしまった。
それでも電車は正確に定刻に運行したからたまったものじゃない。
ゾンビと落武者は先を争い乗車と下車をするから場内アナウンスは発狂寸前でとどまっている始末。
何がなんだかわからなくなっていた。

どこかのラブホテル一室。男と女はくんづほぐれつになっていた。他人の眼には何も映らない。写す訳にはいかない。愛欲の姿はアイナメをしていた。
現実と妄想がだらしなく垂れ下がって絡み合って暑苦しくなった。
男と女は最後に一緒に果てた、

結論は万事めでたしめでたしナノだ


自由詩 妄想の蓋を Copyright こたきひろし 2018-07-12 23:21:15
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