不眠症患者の嘆き
nui

夜の病みに捕われている
自分が包帯のようにほどけてゆく
無力で無意味なチリのごとく

カラス色した冷たい夜
その深淵なる穴に
おちてゆく
ちてゆく
てゆく

ああ振り向けばあなたがいてほしかった
夢の中に独り落とされてゆくのが怖い
ベッドがゆるく沈んでゆき
動かなくなった私の肉体が黒く染め上げられる

ああ朝がもたらす平和の鳥よ
あなたに乗って飛んでゆきたい
眠れぬ最後の始まりに
私もいつか終われるだろうか


自由詩 不眠症患者の嘆き Copyright nui 2018-07-12 03:07:36
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