憧れ
ミナト 螢

あんな風になれるのだろうかと
優れた人の力を見る度に
希望と絶望の点滴の音
溜め息と唾を吐きながら捨てる

大型の台風のように去って
僕の心に残った濁り水
透明になるまで何度も洗い
自分の底を確かめてみたい

あんな風になれるのだろうかと
思ってるうちは不自由な身体
叩き起こして生まれ変わるから
新しいシャツの襟が羽ばたく

白い羽根で僕の飛び方で
落ち葉を拾ってマスクにした時
あなたの口を塞いでしまえば
二度とあの歌声は聴こえずに

真似も出来ないなら更に遠くへ
世界は広くて僕は貧しい
それでも記憶の中で繰り返す
あんな風になれるのだろうかと


自由詩 憧れ Copyright ミナト 螢 2018-07-09 13:45:56
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