ひかりながらはがれおちていく
Lucy

それは雨の手触り
あたたかく
なめらか それでいて
素早く染み込んでいく
やさしい悪意
油断しているうちに
張りつき
腐らせていた


洗い落としてくれると思った

蕾のうちに散る
という 尊大な望み

握りしめていた指先の細く青い棘
手遅れになるまで
私が
枯れた女 ではなく
ひとになるまで




自由詩 ひかりながらはがれおちていく Copyright Lucy 2018-07-06 07:21:33
notebook Home 戻る  過去 未来