人間開花
ミナト 螢

君が誰かの胸で眠る間
ひとりで強く生きているんだから
助けてと言わない人になりたい

私とともに詩が目覚める時
いつもそこには大きな穴があり
入り口と出口を間違えながら
少しずつ背が高くなってゆく

愛に悩んでしぼんだ唇は
固く閉ざされた冬山のようだ

それでも君はまだ登れるのか
旅人の靴を履いたままなのに
私の元へと帰って来るのか

センチメンタルに奪われた夜を
BGMで誤魔化すくらいなら
助けてと泣ける人になりたい


自由詩 人間開花 Copyright ミナト 螢 2018-07-01 11:52:32
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