日常
こたきひろし

金がないのは何もないのに等しいかな
何もないのは死んでいるのもいっしよ
かもしれません


まな板が包丁で叩かれる
食材が切られ
瓦斯に火がつけられて鍋に水が張られる
魚が焼かれ漬け物が盛られ納豆がかき混ぜられて糸をひく
出来上がった味噌汁
それらが食卓の上に勢揃い
そして最後に温かいご飯が盛られる

毎朝
それが約束されているのが
結婚と言う契約
じゃなくて
男のかってな妄想でした

契約書に署名捺印したら
女が男の為に
男が女の為に
守らなければならない契約
の中に含まれてる訳じゃなくて

結婚によってお互いが果たさなければ
ならないサービス
なんだと決めつけては
いませんか
パートナーへの
性の提供
性の共有

その為に義務づけられた
夫婦間以外における性の交流禁止

夫婦生活にお金がなくなったら
契約を破棄されかねません

お金がなくなったら何もないに等しく
何もなくなったら死んだもいっしょだからです


自由詩 日常 Copyright こたきひろし 2018-06-25 06:55:44
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