re:re:うまれたてのはなし
ゆるこ

re:re:うまれたてのはなし

さんかい命を吐き出して思ったことは
男の子は血生臭く
女の子はとにかく無臭だということ


わたしの血液から絞られるおちちを飲んで
やがて、わたしの内臓臭く、してしまっていること

うまれたてのこの子たちが出来ることといえば
おっぱいを食み、拙い声で鳴き、排泄のためにふんばり、幸せそうに懇々と眠るだけ
こんなにシンプルな構造なのに
わたしたちはなぜ
ペンキをひっくり返して身体に塗り付けては
変化を繰り返してしまうのだろうかと
かみさまに聞いてみたい

子山羊のような声を上げては
風の音を聞いて眠っている
それは静かな緑の丘のようで
それは静かな海のさざなみの中のようで

ひどく夕暮れ顔になると
産まれ落ちた瞬間を思い出したかのような産声を時折あげて
わたしたちに近づいてしまう

カルキ臭の海を渡り
十億年分進化しながら
産まれ落ちたらわたしたちと歩幅を合わせて成長してゆく
人間のようで
かみさまのような
小さな命


自由詩 re:re:うまれたてのはなし Copyright ゆるこ 2018-06-20 01:19:12
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