モーニンググロウ
ミナト 螢

夕方に起きて悔やむような日は
寝癖もカーテンもそのままにして
やがて訪れる朝の光を
毛布の裏で受け止めるだろう

透明な短冊を抱きしめて
夢の中で願い事を書いた

息を吹きかけると消えてしまう
君の気配を胸に感じたから

写真立てのフレームにそっと触れ
目覚めたばかりの新しい声で
お元気ですか?とただ訊ねたい

東の窓に映る赤い列車
時刻表には無いけど走るよ
この世界の朝を届けるために
君は前を向き今を生きている

私が信じたものの全てを
空と大地の間に預けた
朝焼けと胸焼けに挟まれて
君との距離を勝手に縮めた


自由詩 モーニンググロウ Copyright ミナト 螢 2018-06-17 10:21:54
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